ccTLD世界紀行 第14回 gs.(サウスジョージア・サウスサンドウィッチ諸島)

PSIのお送りするccTLD世界紀行、今回は、久しぶりに、誰も行ったことがないであろう辺境の小島を(また)やってみたいと思います。

もとより、旧大英帝国領や海外領土の島嶼群は、現在住民がほとんど居ないようなさびれた小島であっても、堂々とccTLDが割り振られたりしています。 これは、以前にも触れたように、ドメインに関するさまざまな決め事が、国際標準化規格等々と絡むことがおおいため、それらが急速に整備された19世紀末から20世紀初頭にかけての世界の中心、すなわち大英帝国の影響が色濃く残っているということなのかと思います。

それはともかく・・・今回採り上げるのは、 サウスジョージア・サウスサンドウィッチ諸島 South Georgia and the South Sandwich Islands ・・・行ったことのある人、います? まず、居ませんよね。それもそのはず、大西洋の南の涯にある島々です。昔は、主力エネルギー源だった鯨油を求めて世界中を駆ける捕鯨船団が寄港地にしていたようなこともあったそうですが、さすがに不便すぎ、また極地の風が吹き付ける厳しいツンドラ気候は、人類の定住には向かなかったようです。

しばらく、忘れ去られていたこの島々ですが、1982年、突如として静謐を破る大事件が起こります。フォークランド紛争の緒戦で、アルゼンチン軍が侵攻、守備隊のいないこの諸島をなんなく占拠したのです。しかし、フォークランド本島での戦闘はイギリス優位のまま終結、この島から軍隊は去り、現在は、数名の定住者を残すのみになっているとか。

このように、南の涯からたまに人々の記憶に蘇ることがあるばかりだったこの寂しい島々ですが、ドメインの世界では独自の存在感を見せつけています。割り振られたドメイン、「.gs」は、セカンドレベル・ドメインと組み合わされて、「blo.gs」といった使い方(いわゆるドメイン・ハック)をされることが増え、かなりの人気ドメインとなっています。

南極大陸から冷たい極風が吹き付ける南大西洋の人影まばらな島々。このドメインを見かけたら、しばし、手を休めてこのくろぐろとした島影に思いを致してみるのもオツかもしれません。

Photo credit: size4riggerboots via Visualhunt /