ccTLD世界紀行 第15回 ki.(キリバス共和国)

以前、tv.ドメインを割り振られた、南太平洋のツバルについてご案内しました。他にも意味合い的に応用可能なドメインを、国富創出の基にし、地球温暖化による海面上昇、国土消失の危機に立ち向かうさまを、ご記憶の方も多いと思います。

今回は、ツバルとよく似た、相似形といっていいケースを紹介します。国の名前は、キリバス共和国(Republic of Kiribati)です。

南太平洋の島嶼国家は、その位置関係を文章で言い表すのがたいへんに難しいのですが、赤道を挟んで中部太平洋の広大な海域に散在する、33個のラグーン(サンゴ礁)から成ります。サンゴ礁といっても、居住可能なくらいに大きな島嶼もあり、ハワイ諸島の真南にあたるキリシマスィ島(クリスマス島、とも俗称されます)などは、美しい遠浅の焦湖が、世界最大のラグーンいっぱいに拡がることで有名です。

とはいえ、この国でもっとも有名な島は、国土(?)の西方、ギルバート諸島に属する、タラワ環礁でしょう。歴史にくわしい方なら、聞き覚えのある名前かもしれません。第二次世界大戦たけなわの1943年末、このタラワ環礁のへりに突き出た主島・ベティオ島で、島を占領していた日本軍と、上陸作戦を行ったアメリカ海兵隊とのあいだで3日間の壮絶な戦闘が行われ、世界的に有名になりました。

現在では、平和な南洋の楽園。かつては軍事飛行場の滑走路が設けられ、そこを狙った艦砲射撃で穴だらけになったベティオ島も、いまは平和で賑やかな市街地となっています。そして、この国に割り振られたドメインは・・・「.ki 」。なんの変哲もない、目立たないドメインのようにも思えますが、実は、隠れた人気ドメイン。前回の「.gs」同様、他のセカンドレベル・ドメインと組み合わせる、ドメイン・ハックで、たとえば、wi.ki といった、より多くのインターネット・ユーザーに訴求できるドメインを実現することができます。

そして...残念なことですが、ツバル同様に、この国も地球温暖化による海面上昇、それによる国土の水没の危機に際会しています。2014年、大統領が声明を出し、いざというときには、当該島嶼の住民をフィジーに移住させることが明らかにされました。

われわれ日本とも、さまざまな縁でつながれているこの国。今後とも行く末を見守っていきたいと思っています。

Photo credit: SarahBoyd via Visual hunt / CC BY-NC