PSI ドメイン講座 Vol.006

トップ・レベル・ドメインのうち、gTLD(ジェネリックトップレベルドメイン)については、前回の第5回で触れました。これらは、主に用途や分野で識別されることの多いドメインです。いっぽう、地域ごとに割り振られたドメインのことを、ccTLD(カントリー・コード・トップレベル・ドメイン)と呼びます。

これらは、国際標準化機構(ISO)による、「ISO 3166-1」という規格によって、各国・各地域に割り振られているカントリー(国別)コードに準じています。その詳細は、当ブログの「ccTLD世界紀行」においてお楽しみいただいていますが、ここでは、そもそも、カントリー・コードを決めているISOって、何?という部分を追いかけてみますね。

国際標準化機構(ISO)とは...実は特定国の機関でも、国連機関でもなく、スイスのいち民間団体です。非営利・非政府の組織で、その歴史は1926年にさかのぼります。世界各国の平等な貿易を促進するため、「規格」を「標準化」しようという目的で、第一次世界大戦終了後のアメリカ・ニューヨークにおいて、「万国規格統一協会」が設立されました。これは、貨幣や度量衡のいわゆる「公差」という、経済活動の根本となる決め事から、それこそネジ一本のサイズに至るまで、各国・各地域ごとのバラツキをなくし、ものごとの流れをスムースにしようと意図されたものです。

理想は素晴らしかったのですが、当時の国際情勢下では世界中あまねく徹底されたとはいえず、第二次世界大戦を挟み、国際標準化機構(ISO)として結実しました。本拠はスイスに置かれています。以降、この機構の決める規格が、いわゆる「ISO規格」として各国に認められているというわけです。カタカナ表記では、「アイエスオー」ですが、俗に「イソ」と呼ばれることがほとんどですね。

ところで、国際標準化機構の正式英語名は、International Organization for Standardization、つまり、そのまま略すと「IOS」となるべきで、カタカナでも「イオス」と、よりカッコ良くスムースな語感で呼べるような気がするのですが、これには、ちょっとした訳があります。

実は、西洋文明の叡智の源泉ともいえるギリシャ語では、「isos」が「等しい」という意味なのですね。これは、そのまま、世界各国度量衡の標準化をはかるという理念に合致します。よって、IOSとなるべき略称が、自然にISOになった...そうなのです。たいへんに結構なエピソードなのですが、西洋とはちょっと違った文明・文化圏に属する私たちにとっては、ちょっぴり複雑な気分になりますね(笑)

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