PSI ドメイン講座 Vol.007

PSIドメイン講座、第7回は、ある意味で、もっとも重要な内容になります。

前回の第6回では、ccTLDの割り振りを規定している、ISO(国際標準化機構)のカントリー・コードについて触れました。度量衡や公差など、いわばすべての貿易・商取引における共通言語として、単位や企画の統一を促進している団体です。しかしながら、まだ歴史の浅いドメインの業界では、このように国際的な決め事がそのままスムースに当てはまるとは限りません。

基本的には、西部劇に出てくる開拓中の街のようなもので、いちめんの荒野に、ただ鉄道が一本引かれているだけの状態を想像していただければと思います。そこらじゅうに、無法者や荒くれ者、価値観のちがう様々な人々が秩序なく闊歩している状態、と言っていいでしょうか...強制力を持った公正な保安官がいないので、基本的に、みずから身を守らなければ、誰も自分の命を助けてくれるわけではないのです。

西部の掟はただひとつ「早いもの勝ち」。たとえば、nikeというドメインを、adidasが買っても問題ありません。その逆もしかりです。sonyというドメインをsharpが買ってもいいわけです。もっとも、それを使えるか、というと、実際的に、いろいろと問題が起こりそうな気がしますし、ここで挙げたような一流ブランドは、もちろんそんなことはやりません(笑)

しかし、過去にこういうトラブルもありました。

ドメイン「nissan」巡り、イスラエル系米国企業と日産自動車が紛争 (Internet Watch 2002年)
http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2002/1008/nissan.htm

イスラエル企業側に、日産自動車に対する悪意はなく、社名が、たまたま偶然、当地の一般名詞と被ったことによる行き違い、と読めます...この記事は相当、古い記事なので、いまは解決しているのだろうと思いきや...いや、まだ、こじれているようです。
http://nissan.com

さきの記事では、ブランド防衛のために4億ドルの支出と書いてありましたが、この件による15年以上の継続的な損失は、いったいいかほどになるのでしょう。ブランド毀損や機会の逸失を数字にしてはかるのは困難ですが、ドメインネームを、ブランド資産の防衛という観点から考えてみるべき例証になると思われます。

(写真は、nissan.comのページ)